離婚そのものの問題

  • 「夫のことがとにかく嫌だ!」
  • 「夫が浮気をして、それがどうしても許せない!」
  • 「夫の立ち居振る舞い、目つきから何から何まで気に食わない!」
  • 「性格の不一致、価値観の不一致がどうしても埋まらない!」
  • 「自分の居場所がない、自分の自尊心を傷つけられたのが許せない」

離婚を合意できるかどうかが出発点(離婚意思の有無)

あなたと相手の双方に離婚の意思があるかどうかがスタートとなることはいうまでもありません。

離婚は、それまでの生活全体の精算です。多くの場合は、お金の問題や子供の問題などが絡んできます。
しかし、それでも、法律的に離婚できるのかどうか自体が、すべての問題を解決する上での基本です。
何もかもが混乱している中で、まずこの点を確認して、
解決すべき問題(真の争点)をはっきりさせていくことが大事です。

離婚を求められたあなたが、交渉を有利に進めるために戦略的に離婚に応じない態度をとるのが得策である場合もあります。
ただ、長期化すると、かえってチャンスを逃すことにもなりかなないので、戦略的な観察が必要です。
逆に、相手が本当は離婚の意思があるのに条件闘争のために離婚に応じない態度をとってくる場合もあるので、見極めが重要です。

また、安易に離婚に応じてしまい、有利な展開どころか、お金の問題や子供の問題がきちんと解決しないで積み残しになってしまい、後悔する例もあります。注意が必要です。

一方的に離婚できるか(離婚原因の存否)

一方がどうしても離婚に応じない場合、最終的には、家庭裁判所に離婚の裁判(離婚訴訟)を提起して、離婚判決を得なければ離婚することができません(判決以外に離婚を合意する和解などによって解決することもあります。)。
離婚の裁判をするには、原則として、まず調停の手続を経ることが必要です。しかし、調停は、双方が裁判所に出席して、話合いにより、自主的な解決を図る制度であり、相手方が出席しない場合や双方の合意ができない場合には、調停は不成立として終了することになるのです。

判決によって離婚が認められるためには(離婚請求の認容)、法定の離婚原因が存在しなければなりません。
民法770条1項は、裁判上の離婚原因として、次の事由を挙げています。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 強度の精神病
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

(1)から(4)は比較的イメージしやすいと思います。

その他婚姻を継続し難い重大な事由があるときとは、婚姻関係が破綻し回復の見込みがないことをいいます。(1)から(4)にピシッとはまるものではないけれど、総合的に判断すると、つまり“合わせ技”で離婚原因となるような場合です。

そこで、その判断にあたっては、
婚姻中における両当事者の行為や態度、婚姻継続の意思の有無、子の有無、子の状態、さらには、双方の年齢・健康状態・性格・経歴・職業・資産収入など、当該の婚姻関係にあらられた一切の事情が考慮される」とされています。

長期間の別居も考慮事由となりますが、何年別居すれば離婚できるという基準があるわけではありません。
裁判所は、別居に至る原因を考慮しており、裁判請求される側の有責性が比較的高い場合、短くとも認容される傾向があり、離婚請求する側の有責性が高い場合長くとも認容されない傾向があります。

別居のほか、暴行虐待、犯罪行為、不労・浪費・借財、配偶者の親族との不和、性生活の問題、重大な疾病・身体障害、宗教活動、性格の不一致、結婚観・生活感の違いなどもろもろの局面があります。

裁判で離婚が認められるということは、裁判所が一方の反対を押し切って離婚させるということですから、離婚したいと思う側にすると、思ったよりハードルが高いものです。
また、少なからず裁判官の価値観・人生観が反映する局面でもあります。

例えば、次のような裁判例があります。

ア)結婚生活約30年の熟年夫婦について、夫に男尊女卑的な態度があったことを認めながらも、妻からの離婚請求を棄却した事例で、判決の中で、「訴訟継続中、ひとかどの身代を真面目に作り上げた被告が法廷の片隅で一人孤独に寂しそうにことの成行きを見守って傍聴している姿は憐れでならない。」と説示している裁判例がありますが、次のような批判があります(二宮外『離婚判例ガイド』63頁)。

《3年間も別居し、判決自身も婚姻関係を継続することは困難と一方で述べ、さらに、有責配偶者からの離婚請求ではないにもかかわらず、……。おそらく裁判官は法廷で淋しそうにしている男性の姿に同情するあまり、長年専制君主的な夫にびくびく暮らしてきた妻の、蓄積された疲れや心の傷の深さに思いいたることができなかったのではなかろうか。》

イ)妻がうつ病による自律神経失調症にかかり別居後7年余を経過した事案においてなお婚姻関係の回復が可能であるとして夫の離婚請求を棄却した事例(東京高裁昭60・6・26)がありますが、これに対しては、次のような批判があります(同書53頁)。

《判決の「いまだ完全に破綻したものとはいえず」との認定は、疑問である。
別居7年、夫には再婚を希望している女性がいるというのであるから、回復は不可能とみるべきであろう。

妻が離婚を受け入れないのは、復讐心ではなく、夫への情によるものであることが、裁判官の心証に影響したのであろう。
しかし、破綻につき夫に主たる有責性がなかったのだから、離婚を認めるべきであったのではないか。》

離婚原因が認められるかどうかは、判断がなかなか難しく、離婚訴訟は、和解による解決も想定内に入れながら、戦略的に進めていく必要があります。

有責配偶者からの離婚請求

かつて最高裁判所は、婚姻関係が破綻している場合であっても、有責配偶者からの離婚請求は許されないという立場をとっていました(最高裁昭和27年2月19日判決「踏んだり蹴ったり」判決)。
この判決は、「もしかかる請求が是認されるならば、妻は全く俗にいう踏んだり蹴ったりである。法はかくの如き不徳義勝手気儘を許すものではない。」として、他の女性との間に子をもうけ妻と別居しその女性と同棲するに至った夫からの離婚請求を棄却したのでした。

しかし、昭和62年、最高裁判所は、次のように判断して、別居期間が36年に及んだ夫婦間の有責配偶者からの離婚請求を認め、判例法理を変更したのです。

「①夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態のおかれる等離婚を認容することが著しく社会正義に反すると言えるような特段の事情が認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもって許されないとすることはできない」と判断しました。

ゆっくり読むともっともですが、やはり事案毎に個別具体的な検討が必要であり、なかなか判断は難しいことにならざるを得ません。

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